185j 大阪総領事館の新館、20年3月着工、22年5月に完成予定

大阪総領事館の新築工事を担う建設会社が、ようやく前田建設工業株式会社に決まりました。同社は売上高(2019年)において日本の建設会社で第9位です。

12月25日、大阪総領事館と前田建設が工事契約を結びました。クリスマスの日の契約は忘れられない日になるでしょう。年を越さずに大きな節目を迎えることができ、肩の荷を一つおろしたように感じます。

契約に基づき、工事は2020年3月15日に始まり、22年5月13日に完成します。完工すれば、大阪の中心部の繁華街、御堂筋通りにあった旧館の位置に地下1階・地上11階の超モダンな建物が出現します。

当初の予定では19年6月に着工、21年末の完工を目標にしていました。ただし、大阪の建設業界の競争が熾烈なため、業者選定に時間を費やし、予定していた工期より遅くなりました。急速に悪化した日韓関係も多少影響したと思われます。

困難な状況にあった70年代初め、十匙一飯という韓国の諺どおり在日コリアンが一丸(いちがん)となって募った資金で建設し、韓国政府に寄贈した大阪総領事館の旧館。契約式に臨んでその歴史を思い起こし、日韓友好を象徴する斬新なビルを建設するよう建設業者に依頼しました。

道頓堀近く御堂筋通りに面した大阪総領事館の旧館は「御堂筋に太極旗を」翻(ひるがえ)すことを願った関西地域の在日コリアンが募金活動を行い建設したものです。1972年11月7日に着工し、74年9月15日に完成した地下2階・地上9階のビルは完成と同時に韓国政府に寄贈され、大阪総領事館として使われてきました。

建設から長年経(た)ち、1995年の阪神大震災で亀裂が生じるなど、建て替えを余儀なくされる状況となりました。韓国政府は在日コリアンが建てた「御堂筋の総領事館」というシンボル性と歴史を考慮して同じ場所に建て替えることにし、18年8月から解体作業を始め、19年2月に解体工事を終えました。

建て替え工事に入ってから大阪総領事館は船場郵便局の近くにある近江ビルの臨時庁舎において業務を行っています。

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