155j 奈良県明日香村で隔年開催の日韓交流事業: 歴史の道2019

9月23日、日本は秋分の日で休日です。21日から三連休ですが、台風17号の影響で関西は連休中ぐずついた天気になるという予報が数日前から出ており、憂鬱な気持ちでいました。

三連休を楽しめないからというわけではなく、大阪総領事館がことしの重点文化交流事業の一つとして奈良県で実施する行事「歴史の道2019」が連休初日の21日に予定されていたからです。行事の会場が屋外なので、文字どおり天に祈るしかありませんでした。

21日の朝、どんよりした曇り空の下、会場の明日香村「あすか風舞台」に向かいました。風舞台は、百済系貴族の蘇我馬子(551?-626)の墓といわれる石舞台の前に作られた広場です。大阪総領事館・奈良県民団・奈良県日韓親善協会・明日香村が共同で2年ごとに明日香村で開催する食と文化を通じた日韓交流事業の会場なのです。

雨模様という天気予報のせいか、行事が始まったときはあまり人が多くいませんでした。また、2年前は風舞台前に広がっていた芝生がことしはまばらでした。雨予報が最大の要因だったとはいえ、最近の凍てついた日韓関係の影響もありそうです。

「百済(ペクチェ)の微笑」のように和気あいあいのムードのなか、行事は進行しました。会場の背後にある山の姿が韓国の山のように丸くなだらかなのも、日韓の参加者の気性がみなおだやかに思われるのも、ほのぼのした気持ちにさせてくれました。私のほか、奈良県民団の李勲団長、奈良県日韓親善協会の田野瀬良太郎会長、明日香村の森川裕一村長など、開幕式で挨拶した全員が異口同音に、こういう日韓関係の時こそ、より熱心に相互理解を深める文化交流を進めていこうと言いました。

午前中、開会式の後、ボランティアとして参加していた天理大学国際学部の韓国語専攻学生と韓流や文化交流などについて短時間ながら意義深い時間も持ちました。そして、婦人会や民団などが用意してくださった韓国料理を参加者と一緒にいただき、公演をみてから石舞台を見学し、午後には会場を後にしました。

幸い天気は時間とともに好転し、日中は雨が降らず、ほどよい晴天が続きました。午後にはさらに人が大勢集まり、午後8時の行事終了まで盛況を呈したといいます。困難な状況にあっても、大阪総領事館と奈良県の複数の団体関係者が力を合わせて懸命に準備した行事に天も味方してくれたようです。

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