126j 滋賀県甲賀市の信楽町にある Miho Museum

4月6日(木)、滋賀県甲賀(こうか)市、信楽(しがらき)町の山中にある Miho Museum に行ってきました。信楽は関西地方で陶芸村としてよく知られています。

Miho Museum は二つのことで有名です。第一に、ミュージアムの設計者が世界的に著名な建築家の中国系アメリカ人 I. M. ペイ(1917-)だということです。ペイは、フランスのルーヴル美術館のガラスピラミッドや米国ワシントン D.C.にあるナショナルギャラリー東館を設計しています。Miho Museum も三角構造のガラス屋根など、彼の建築の特徴をよく表現しています。このミュージアムの設計テーマは中国の桃源郷といわれ、曲線状のトンネルを通り抜けてミュージアムに至る構造になっており、桃源郷に行くような感覚を味わうことができます。

第二は、古代から現代まで、西洋から東洋まで膨大な遺物を所蔵していることです。ギリシャ、ローマ、エジプト、中近東、ガンダーラ、中国などの美術品2000点以上を保有しています。常設展示館は南館にあり、エジプト、西アジア、ギリシャ、ローマ、南アジア、中国、ペルシャの部屋に分けて展示しています。特に紀元前13世紀のエジプト第19王朝時のホルス像が有名といわれますが、私にはすべての展示品が物珍しく映りました。

訪問したときの特別展は、京都の名刹・大徳寺龍光院所蔵の遺物展でした。ふだんは非公開の茶道関連の宝物が多く出展されているせいか、茶道などに関心の高い日本人客が列をなしていました。特に、日本で国宝に指定されたものが三点しかないという黒の曜変(ようへん)天目茶碗(13世紀、宋)が出品され、たいへんな人気でした。

Miho Museum は、合計30万坪の敷地と展示館の床面積5800坪ほどの規模です。険しい山地に、桃源郷をテーマにこのような建築物を創ること自体が芸術だと思います。このミュージアムは、宗教団体の神慈秀明会を設立した小山美秀子(1910-2003)が1997年11月に開館しています。

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