大阪の遅咲きの桜も終わりにさしかかった4月14日、日曜日の日中、最後の花見をしたい人に意地悪をするかのように雨が降りました。
同じ日の夕方、韓国観光公社大阪支社の主催で、大阪市内のホテルにてガラ・ディナー「コリアングルメ・ディナーショー」が開催されました。韓国料理に関心の高い40歳代から60歳代を対象に、フランス料理風にアレンジした韓国料理を紹介するイベントでした。
フランスのミシュラン・レストランや一流ホテルで働いた経験のあるシェフ、イ・スンジュン氏が来阪して料理を披露しました。ディナーが始まる前にタレントのソン・オクスクとチョン・ホジンの両氏が登場し、韓国料理をテーマにトークショーを演じました。
春雨としては強い雨が降るなか、100人を超える日本人の中年層が会場を埋め尽くしました。私も雨を押して参加し、視・味・聴覚三昧(ざんまい)を堪能しました。
ディナーが始まるとイ・スンジュン氏が登場し、「春と始まり」をテーマにした料理を一つずつ説明しました。料理を味わいながら、ゲストのソン・オクスク氏による即興インタビューも行われました。ソン氏は初め「見た目も味もいいのですが、量がちょっと足りないのでは」と物足りないようすでした。でも、最後は「俳優は経験で演技します。今後、貴婦人役を演じるとき、きょうのこの場の雰囲気を思いながら演技します」と大満足げでした。
女優ソン氏の言葉に、この日の行事のすべてが集約されていたとも言えるでしょう。彼女は、日本の韓流ブームの口火を切った「冬のソナタ」で主人公ペ・ヨンジュン(ヨン様)の母親役を演じ、日本の人々にもとても親しまれています。参加した人々も「韓国料理の新しい側面を知り、本当においしく大満足でした」と異口同音に話していました。日韓関係は国レベルでは難しい局面にありますが、市民レベルでは韓流がさらに多様に深く広がっていることを痛感しました。