後堀河天皇の御代( 十三世紀はじめ )、京都西山のけいかい律師という僧が、三井寺(園城寺)の梅若という稚児に恋をしたという。
この二人が、忍び会うときの明かりとして、薄い綾布の中にホタルを入れて使ったのが、チョウチン(提灯)のはじめとか…
色っぽい話しである…
竹ヒゴを利用した伸び縮みする提灯は、十六世紀に発明された。
十八世紀のはじめににつくられた小田原提灯はこの変形で、細長い円筒状だが、小さくたためることから、旅の必需品として、大いに使われたが、今や、提灯で足元を照らしながら歩むこともなく、ほのかなに明かりがゆれる、風情ある光景は珍しくなった。
【 写真 ⇨ 我写・仕舞う 資料 : 起源をナゾ、光文書院 】