チョコレートとは、もとをただせばメキシコ語で「ココアと水(にがい水)」という意味である。
先ずスペイン語に取り入れられ、それが各国語にも広がり、日本では、上述に加え、千代古齢糖・豬口令糖・知古辣 などの文字が当てられた。
日本で初めてチョコレートを食べたのは、おそらく、オランダ人からもらって口にした、長崎丸山遊女だろうが、明治六年(1873)に遣欧使節として渡欧した 特命全権大使岩倉具視の一行も、フランスでチョコレート工場を視察し、試食したと記されている。
製造販売したのは、明治八年(1875)、東京両国若松町の風月堂といわれ、板チョコは、同四十二年(1909)、森永太一郎(森永製菓創業者)によって製造された。
当初は、嗜好品・薬用として珍重され、後には、貨幣としても流通したというが、今や、食生活、一般にとけ込んでいる。
【 写真 ⇨ 我写・置き忘れ 、 資料 : 「起源のナゾ」光文書院 】
「貯古齢糖…千代古齢糖・豬口令糖・知古辣」などの漢字音による表記が、どの時代に考案されたか定かではないが、ヨーロッパ勢力がアジアに進出した16世紀以降であることは間違いないだろう。だとすると、日本にはカタカナ・ひらがな表記があったはずである。にもかかわらず、漢字が使われた、ということだ。
いろいろ考えられるけれど、漢字(真名)に対するカタカナ(片仮名)・ひらがな(平仮名)の地位が奈辺にあったか考えさせられる。
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