7月27日(金)は、京都に本社を置く世界的な企業、京セラ株式会社を訪問しました。
京セラは、創設者で今は名誉会長の稲盛和夫氏と韓国との縁で、韓国にも広く知られています。稲盛会長のご夫人が育種学者として著名な禹(ウ)長春博士(1898-1959)の四女だからです。
ウ博士は、旧韓末の閔妃殺害事件(1895年、韓国では乙未事変)に関与し、日本に逃亡した禹範善(1858-1903)が日本女性と結婚して産んだ子なのです。稲盛会長はパナソニックの松下幸之助氏(1894-1989)、ホンダの本田宗一郎氏(1906-91)とともに日本で最も尊敬される三人の起業家の一人に数えられています。
稲盛会長はもともと大阪総領事館の管内に住んでおられ、韓国との縁もある方なので、直接お会いしたいと思いましたが、狩野浩一関連会社執行部長とお会いすることになりました。
建物に入ると、1階ロビーが美術館になっているのが注意を引きました。一見して、展示された絵画や彫刻作品が尋常でないものに見えたからです。
接見室でお会いした狩野氏は、90年代の韓国勤務経験と韓国の友人との友情や、同社が運営するプロサッカーチーム京都サンガとパク・チソンの縁などを話題にして、温かく迎えてくれました。本社だけで約20名の韓国人が働いていて、うち5名は昨年入社したといいます。
社是は「敬天愛人」、経営理念が「すべての従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に人類と社会の進歩発展に貢献すること」で、すべての従業員がそれを熟知しているといいます。また、1959年の創立以来、一年度も赤字がなく、従業員も減らしたことがないと自慢されていました。やはり、成長する企業は、どこか特別なところがあります。