牡蠣という なまめくものを 啜りけり 上田 五千石
昭和二十五年(1950)のこの日、D・H・ロレンス著、伊藤整訳の「チャタレー夫人の恋人」上下巻(小山書店刊)が発売後間もなく、わいせつ文書として没収され、発禁処分を受けた。
同年九月、出版元の小山久二郎と伊藤整が 、わいせつ文書販売の罪で東京地検から起訴され、七年にわたるチャタレー裁判が開始された。
この事件は、エロ写真や春画春本の類とちがい 、世界的に定評ある文学作品が対象であることから 、言論界に様々な波紋を投じた。
同三十二年(1957)、最高裁の最終判決で有罪が確定した。
時代の移り変われを経て、今の状況を見ると、最近も話題になっているが、「公共の福祉」とは…と思う。