「ひだる神」は空腹の神。
山奥にいて人に取りつき、急に空腹にしたり、道に迷わせたりする。
そのひだる神がずっとついてくるせいか…
私も、いつか空腹な老人の一人になってしまったように思う。
昔は、こんなふうな老人が、いたるところにいた。
でも、今は、「ひだる神」に依らずとも、他の要因で、“独居”、“貧困”、等を強いられている老人が増えている。
高齢化社会といわれて久しいが、誰に頼ればいいのだろうか…
いや、あくまでも、自己責任が問われるのか…
いつまでも われにつきくる ひだる神
年老いたれば つねにひもじき 前 登志夫