歯切れのよい口調で勢いよくまくしたてるのを「タンカを切る」という。
もともとは「弾呵」と書き、大乗仏教の経典に出ている言葉である。
「弾」は「弾劾(だんがい)」などと用いられ、罪を正すの意。
「呵」は「呵責(かしゃく)」などと用いられ、叱るとの意。
つまり、「弾呵」は誤りを責め叱るという意味だが、次第に歯切れのよい言葉でまくしたてることの意になった。
そして、字のほうも「啖呵」という当て字に変わった。
この「啖」はかみつく、「呵」は息をふきかけるの意味で、おおいにまくしたてる状態を表している。
「啖呵師」といえば、「香具師(やし)」のことでもあり、大道で口上をまくしたてる売り方を「啖呵売」という。